About
劇団演奏舞台とは
劇団演奏舞台は、1973年6月に、劇作家・三好十郎主宰「戯曲座」系列の「劇団炎座」に所属していた久保田猛を中心に結成されました。
旗揚げ公演より舞台に生演奏のバンドを導入し、劇中の音楽・効果音を生の楽器で奏でるなど、当時としては珍しいスタイルの演劇を展開。演奏舞台特有の臨場感溢れるサウンドと芝居とのコラボレーションは今もご好評を頂いています。
結成以来、オリジナル創作劇をはじめ、現代劇作家の名作戯曲、および日本の古典劇(近松劇・能狂言)の現代劇化作品の上演を中心に活動して参りました。
2007 年に浅井星太郎が劇団代表を引き継ぎ、2011 年、もともと稽古場だった場所を、常打ち小屋「演奏舞台アトリエ・九段下GEKIBA」へと改装。稽古期間から徹底的に作り込むスタイルで、外部の劇場では成し得ない臨場感の創出、「演者」と「音楽」そして「照明」「空間」「観客」を含めた舞台全体のさらなる融合に注力しています。
おもな上演作品…
江深シヅカ 「純白観想文」
久保田猛 「小〇百姓一揆考」「暗殺風聞‘84」「甘粕大尉―季節はずれの卒論」「嗤ふ―桐生悠々」「茫々の時―秋篠」
「能21シリーズ/景清・隅田川・引括(狂言)-他」「なつかしの学童疎開」「野の人・西行考」「七人の侍なんていらねえ」
上野 瞭 「ちょんまげ手まり歌」(江深シヅカ/台本)
高木彬光 「破戒裁判」(久保田猛/台本)
川俣晃自 「難波津に咲くやこの花―近松拾遺」「曼珠沙華―近松拾遺」「誰が袖屏風―近松拾遺」
寺山修司 「白夜」
小山内薫 「息子」
清水邦夫 「楽屋」「朝に死す」「いとしいとしのぶーたれ乞食」
菅 孝行 「凶状旅奥之細道」「特別攻撃隊スターダスト」
井上ひさし 「雨」
小松幹生 「スラブ・ディフェンス」「刺殺遊戯」
別役 実 「太郎の屋根に雪降りつむ」「眠っちゃいけない子守歌」
石崎一正 「私の上に降る雪は」
山本周五郎 「桃の井戸」「風鈴」「糸車」(久保田猛/台本)
平山耕佑 「已然―2004年春」(久保田猛/台本) ...など82回の本公演
清水邦夫/作品集 木谷茂生/作品集 真山青果「玄朴と長英」 三好十郎「捨吉」「マツコとユミコ」
さねとうあきら「おこんじょうるり」 ...など93回の演じるための試演
小川未明「青空の下の原っぱ」(久保田猛/台本) 宮沢賢治「どんぐりと山猫」(浅井星太郎/台本) ...などの児童劇他
主宰・代表 浅井星太郎
1979年5月19日生まれ 演出家・俳優・音楽家
両親ともに演奏舞台の俳優だったことから、幼少の頃より舞台と音楽の世界で育つ。
当時演奏舞台の音楽を担っていた佐々木多幸詩氏に10歳より師事し、舞台・映像音楽を中心に、作曲・編曲・ミキシングなど音楽制作にかかわる技術を学ぶ。その傍ら、様々な楽器を独学で習得。これまで、舞台音楽・映像音楽を中心に多数のアーティストとともに楽曲・映像作品を制作。また、PAエンジニアとしても活躍。
現在は、自身が主宰する劇団演奏舞台を拠点に、音楽・演出・俳優・美術・照明と他分野で才能を発揮し、独創的な舞台づくりを続ける傍ら、作曲・アレンジ・ミキシングなど様々なミュージシャンのプロデュースも行っている。
創立者 久保田猛
1937年1月2日生まれ 演出家・劇作家
三好十郎氏・主宰「戯曲座」系列の「劇団炎座」文芸演出部に入座。
小幡忻治氏に師事。
同劇団代表を経て、1973年に「久保田演技実習」の開設と共に「劇団演奏舞台」を結成。
一貫して「この時代と拮抗する」創作劇を上演。また毎回舞台に生バンドを導入し、ミュージカルでも音楽劇でもない、芝居とサウンドとの相乗効果を図る新たな舞台創造を目指した。
2015年5月没。
Mission & Vision
Mission
役者自らの身体を「楽器」とみなし、意識的に「演奏」する
結成以来、この理念をもとにした演奏舞台独自のメソッドを軸に、常に新しい表現に挑戦し続けてきました。集団名もこの理念に由来しています。
音楽は芝居であり、芝居は音楽であると我々は考えています。
近年特に分断されがちな日本の演劇文化・音楽文化の融合を「演奏舞台」という表現手法を通して実現し、他では代替しえない、新たな価値の創出に取り組んでいます。
そして、観劇いただいたお客様には、他では味わえない圧倒的な臨場感と感動を提供し続けています。
Vision
演者・音・光・空間・観客が一体となる舞台を
現在は、上記の理念をもととして、現職である浅井星太郎が代表就任の際に掲げたビジョンを胸に、舞台演技・劇場での「生の表現」を軸としたお客様との対話を大切にしています。
我々の舞台は、音楽劇でもミュージカルでもない「演奏舞台」という1つのジャンルです。
舞台のバックに生演奏のバンドを構え、役者の呼吸・感情に合わせて即興音楽を奏で、時には奏者も役者として舞台に上がります。
たとえ生演奏の舞台であっても、楽譜があり、決められたところに決められた楽曲が挿入されることが一般的ですが、私たちはその瞬間瞬間に役者・空間が生み出した新しい五線譜へ、新たな旋律を乗せて音を奏でます。
つまり、音楽も「演じて」いるのです。
その音に、改めて役者が呼応し、また新たな表現が生み出される。一見ギャンブルのように危険な勝負にも見えますが、決してそんなことはありません。
役者と奏者が拮抗した表現の連続で、「息をのむ瞬間」を作り出すことができます。そして、その瞬間を、意識的に作り出すことをかねてより目指しています。